アフィリエイト広告を規制する動き その2

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2021/5/28に消費者庁は、アフィリエイト広告等に関する検討会を開催することを発表しました。そして6/10に一回目の検討会が開催されました。それに先立ち、消費者庁は6/9に議題と資料を公表しました。詳細はこちらからどうぞ。

検討会後に討議された内容が公表されるのかと期待していたのですが、今回は公式には特にありませんでした。議題には「事務局からの説明等」と書かれています。

わたしが調べた範囲では、ITmedia NEWSに検討会の内容を説明する記事がありました。その中では、委員たちから出た意見と今後の見通しが説明されていました。どんなことが討議されたのでしょうか。

消費者が被害に合わないような仕組みや規制、不当表示があったときの責任の所在などについて委員らが議論。今後も意見交換を重ね、年内に一定の結論を出すとしている。(強調のため赤字にしたのは当ブログです)

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2106/10/news137.html

消費者保護の観点から、消費者が被害を受けないようにするにはどうしたらよいのか、不当表示の責任はだれにあるのかが焦点になっていますが、この点でいくつかの意見が出たようです。

現行の景品表示法上では、不当表示が起きたときの責任は、問題となる商品などを供給する広告主にある。虚偽や誇大宣伝を含む広告があった場合は、ASPやアフィリエイターではなく、広告主に表示規制と管理義務を課しているという。

この現状に対し検討会では委員から、アフィリエイターが広告を制作した場合に、広告主が自身に責任がないと主張する場合があるため、責任の所在についてのルールをさらに明確化すべきという意見が出た。ASPがアフィリエイターの審査や、広告表示に関する指導を行うことで、誇大広告を防ぐ仕組み作りが必要とする声もあった。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2106/10/news137.html

現行の景品表示法は、販売主体となる広告主を規制しているという点は前回ご説明しました。それでこの点は今回の検討会の前提となっています。これに対し、アフィリエイターが作った広告に関して、広告主が責任が自身にないことを主張する場合があるため、責任の所在についてのルールをさらに明確化すべきという意見が出た出たようですね。さらにASPがアフィリエイターの審査や、広告表示に関する指導を行うことで、誇大広告を防ぐ仕組み作りが必要とする声もあったようですので、ASPがアフィリエイターに対して、審査や広告表示に関する指導をもっと行う必要があると考えられているわけですね。少数の誇大広告や不当表示ゆえに、アフィリエイターに対する審査や指導が厳しくなる可能性があります。

今後の見通しはどうでしょうか。

議論を受けた中川丈久座長(神戸大学大学院法学研究科教授)は今後の方針について、立法や法解釈の変更も視野に入れて対応を検討する必要があると話した。消費者庁は今後、今回の議論を基に、広告主だけでなくASPやアフィリエイターが何らかの責任を果たすための仕組みや、悪質なASPやアフィリエイターを排除する対策などについて議論を進めていくとしている。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2106/10/news137.html

法整備や法解釈の変更が検討されていきます。そしてASPやアフィリエイターも何らかの責任を果たすよう求めると同時に、悪質なASPやアフィリエイターを排除する方法も議論されていくようですね。資料5によりますと、座長から次のような提案もなされています。

ASPは、景品表示法による法規制が適切か否かは直ちに結論を出せないとしても、自主規制ルールを策定して取り組むこと、それで実効性が確保できない場合は法的義務を検討すること。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/meeting_materials/assets/representation_cms219_210609_06.pdf

つまり、まずASPが自主的に規制すべきであり、それで効果がなければ法整備に進むべきということですね。そして最初の引用にあるように、年内には一定の結論が出される予定です。

次回の検討会の日時は発表されていませんが、今後もレポートしていきます。

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